まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「准保育士」制度はどうだろう?

労働力人口が減少する中、
労働力として女性を活用する重要性が叫ばれている。
それとセットになっているのが、
「保育制度の充実」であり、
具体的には「保育園の増設」、「待機児童ゼロ社会の実現」ってやつで。。

そして、民間の株式会社も保育園の運営主体になれるようになり、
保育園は一気に増設されたらしい。
(わたしが住んでいる田舎町にも、箱庭みたいなちっちゃな庭付きの
保育園がいくつか出来たが、
「えーっ、ここって保育園なんかもやってるんだ」と思うような会社名を冠しているとこばかり)
ところが・・・。

保育士の数が足りず、
さらに劣悪な労働条件から離職者が非常に多いため、
経験のまったくない保育士がすぐに現場に投入され、
沢山の子供を見なければならなくなっているのが実態なんだって。
雑誌やネットの記事によれば、
・子供の口に次々と食べ物を押し込む。
・無言でミルクを飲ませたり、オムツを替えたりする。
・散歩に連れて行かない(行けない)。
・ちょっと子供たちが騒いだりすると、語気荒く怒鳴ったりする。
と言った「ブラック保育園」も多数存在している・・・らしいのだ。
そのうち、子供が「保育園に行きたくない」と登園拒否状態になってしまうケースもあるそうで、
母親はそういう実態に目をつぶって子供を預けて働き続けるか、
仕事を辞めて子供と向き合うか(ただし家のローンは払えなくなる)、
と言った究極の選択を迫られることになったりもしているんだって。

・・・どうして、おばさん世代を保育士として活用しないんだろうか。
実にもったいない!と思う。
おばさん世代は子育てを一通り経験済みだから、
騒いだ時の対処法でも、病気の見分け方でも、全部実地で体験してるのだ。
本で学んだだけじゃなくって、全部自分の子供で体験済み。
だから、本に書いてあることが、実はいかに役に立たないかも知ってるし、
何より子育てはマニュアルの通りになんか行かないことを骨身に沁みて知っている。

これを活用しない手はないと思うなあ。
・・・あっ、でも、よくあるように「保育ボランティア」の形を取るのは良くないとも思う。
予算がないけれど人手は欲しい、という時に、
すぐ「じゃあ、ボランティアで」ってことになりがちだけれど、
それをやられると、善意の人々があっという間にボロボロになってしまうので・・・。

現在、普通のおばさんが保育士になれないのは、保育士という「肩書き」がないから。
それなら、おばさん世代でも取れるような資格を設ければいいんじゃないだろうか。
もう記憶力が相当怪しくなって来ているから、
高卒で専門学校へ行って資格を取るような若い子たちと同じ内容は、
ちょっと頭に入らなくなってしまってるかもしれないからね。
法律関係とか、そういう部分は若い人たちにお任せすることにして。
実働部隊として実際に「保育」する際に必要な知識のうち、
最新の知識が必要と思われるようなものに特化して勉強するだけなら、
おばさん世代でも何とか頑張れそう。
そうやって「准保育士」的な資格を取れば、
「保育士」のいる保育園で働けることにしたらどうだろう。
まあ、ヘルパー2級みたいなものかな。
そうやって何年か准保育士として働いて、さらに試験を受ければ
「保育士」の資格を取れるようにしたらいいんじゃないかな。

何の業種でも、貴重になっている若い世代を取り合っているのが今の日本。
そうではなくて、中高年世代を上手く使って行く方法を考えるのが喫緊の課題ではないのかな。
今、わたしみたいなおばさん(教員免許を除けば、ほぼ無資格。あとは英検2級くらい)
が出来る仕事と言ったら、
掃除(老人ホーム、病院、パチンコ屋、大型量販店)、
ベッドメイク(大抵郊外にある、○○ホテル)、調理補助(老人ホームの朝食の手伝いを朝5時から!)
くらいのものだもの。
そういう仕事をするひとも必要なのは知っているけれど、
それだけにしかおばさんは使えないと思われてるとしたら・・・。
実にもったいない気がするんだけどなあ。