まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

鳥類は意外と賢いのだ。

うちのペットのまるぽんはオカメインコ
「インコ」と言ってはいるけれど、実は世界最小のオウムなのだ。
「インコ」と「オウム」の区別は実は相当いい加減で、
頭に冠羽(「とさか」と呼ぶ人もいるが、あくまでも「かんう」である)があるのが「オウム」、
冠羽がないものを「インコ」と呼んでいるようである。

さてさて、先日テレビを見ていたら、
どこかの動物園(にしては小さかったが)で飼われている、
オオバタン(大型のオウム)の話題を取り上げていた。
このオオバタンは「おかあさーん」とおしゃべりするので人気なのだと言う。
「おかあさーん」自体にいろいろなバリエーションがあるのだが、
お客さんがオオバタンのケージの前から立ち去ろうとすると、
「おかあさーん」と言うんだって。
スタジオで見ていた芸能人たちは、
「まるで『行かないで』って引き止めてるみたいですね。
・・・まあ、そんな訳ないでしょうけどね」と笑っていた。

・・・分かってないなあ。
引き止めてる「みたい」なんじゃなくて、
帰ろうとするお客さんを実際に引き止めてるんだけどなあ。
オオバタンって知能が相当高く、寂しがり屋な生きものだそうで。
それがケージで一羽飼いされているんだから、寂しいし暇臭いしで大変なんだろう。
そこにお客さんが来ると、ヤツは多分とても嬉しくなるのだ。
だから何とかして帰らせないようにしたい・・・と思っていろいろやってみたら、
どうも「おかあさーん」と人間の鳴き真似するとみんな戻って来るみたいだ!
ということを学習したから、絶妙なタイミングで「おかあさーん」と言うようになったんだと思う。
決して偶然なんかじゃないのだ。

鳥を飼ったことがない人は、
世間に流布している「鳥頭」という話を信じ込んでいるけれど、
鳥って実はなかなか賢い奴らなのだ。
例えば、うちの実家で飼っていたちいのすけ(ペットの書庫にある記事を参照してください)は、
朝ケージの覆いを取った時しか「おはよう」と言わなかった。
昼間とかにいくら「のすけ、『おはよう』は?」と誘ってみても、
朝以外の時間帯には決して「おはよう」と言わなかったのである。
また、実家の門扉を開ける時のわずかな違いを聞き分けて、

わたしや姉が帰宅した時には玄関を開ける前から大喜びしてバタバタした。

反対に父が帰宅した時には「シーン」としていたので、
父はいつも「可愛げのないやつだな!」と腹を立てていたっけ。
今飼っているまるぽんは、コーヒーを淹れようとしていると大騒ぎする。
インスタントコーヒーのビンのふたを開けただけで、
凄まじい呼び鳴きをして「俺様を出せ!」とアピールする。
何故なら、わたしはコーヒーを飲みながらまるぽんをカゴから出してやるからである。
呼び鳴きしてやかましい時には「待ってね」と言うと静かになる。
何故なら、「待ってね」と言われたらいくら騒いでも出してもらえないと知っているからである。
肩に乗せているときに、まるぽんを手に乗せてくずかごの上にかざし、
「はい、まるぽん、お願いしまーす!」と声を掛けると、
すごーく力んでフンをする。
また、撫でて欲しい時には口を「あーん!」と開けてあくびをし、
直後に素早く頭を下げてお辞儀したままみたいなポーズをする。
その時には頭を撫でるととても喜ぶ。
でも、あくびした後、頭を下げてないのに撫でようとすると、
口を開けて威嚇し、撫でさせない。
「今撫でて欲しいなんて言ってないだろう?」って言っているみたいな感じで。

実家で飼っていたちいのすけは、母に叱られたりするとよく不貞腐れていた。
これ見よがしに畳の目をかじったり、
「しちゃいけません!」と言われていたことをわざとやった。
そして、いけないことをやりながら、チロチロとこちらの反応を伺い、
「ほーら、こんな悪いことだってしちゃうもんねー」と言わんばかりの態度を取ったので、
母は「ホントに可愛げってもんがないんだから、あんたは!」とますます怒り狂っていたっけ。
ちいのすけは、そんな母の反応を見るのがたまらなく面白かったんだろう。
今飼っているまるぽんはちょっとおバカな人の好い性格なので、
ちいのすけみたいなことは一切やらない。
風切り羽を切った直後でもおとなしく肩に乗って来る天使のような性格である。
(ただし、娘とはライバル関係で仲は超険悪である)

・・・ねっ、ねっ、ねっ、鳥って結構賢い生き物でしょう?
時々至近距離から鼻水を掛けて来るのさえ我慢出来れば、
本当に可愛くて面白い生き物だと思う。