まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

仕事について~最近の毎日小学生新聞の記事から~

仕事について、最近の毎日小学生新聞に二つ興味深い言葉が載っていた。
 
一つ目はソニーの創業者の一人、盛田昭夫さん(1921~1999)の言葉。
(2014年9月20日土曜日付け 第8面掲載)
 
「一度しかない青春を不満な場所で過ごしたら、
あなた方自身のためになりません。」
 
この言葉には前フリがある。
「試庸期間とは、会社があなた方をもう一度試験する期間だと思っている人がたくさんいる。
私はそうは思っていません。
その期間は、自分の青春を託せる職場、会社であるかと、
あなた方がソニーを試験する期間なのだと思います。
もし、”ここは自分の思った会社と違うな”と思ったら、あなた方自身のために、
早く転職をし、早くいいところを探すことを私は勧めます。」
このあとに前掲の言葉が続く。
これは、盛田氏が新入社員に贈った言葉だという。
 
今、日本中を覆っている何となくどんよりと澱んだ空気は、
みんなが「自分はこんなことがしたい訳じゃない」と
不満を抱いていることから来てるんじゃないだろうか。 
そう言った気持ちは「一度しかない青春を不満な場所で過ごしたこと」に
端を発しているような気がするなあ。
 
 
もう一つは、国連のスピーチライターであるジェシカ・ジジさんの言葉。
(2014年9月21日日曜日付け 第8面掲載)
 
「ささやかで給料が低くても、
やりたいこと、好きなことを仕事にすべきです」
 
ジェシカさんは国連事務総長のスピーチライターを務めている女性。
20年以上国連で経験を積んでおり、基調講演や発言、乾杯の言葉などの原稿を書いている方だ。
もともとは「映画のライターになりたかった」というジジさんだが、
「夢と異なりましたが、今の仕事ができてうれしいです」と発言している。
前掲の言葉は、「働くことへのアドバイスをお願いします」という、
小学生記者からの質問への答えである。
 
翻って日本ではどうか。
やりたいこと、好きなことを仕事にしたい、などと言ったら、
「甘ったれるな!世間はそんなに甘くない!」と怒られることだろう。
その結果、沢山の若者が「ささやかでなく、高給がもらえる」ことを優先させ、
「やりたくもなく、好きでもない」仕事に従事している。
そして、盛田氏のいうところの「一度しかない青春を不満な場所で過ごす」ことになっているのだ。
 
子供たちに好きなことをさせ、やりたい勉強をさせているわたしは、
「・・・よく好きにさせてるね。就職のこと、どうするつもり?」と
他人から言われることがとても多い。
でも、違うのだ。
好きなこと、やりたいことをしていればこそ、ピンチに陥った時にも、
そこから抜け出す意欲を持ち続けることが出来る。
反対に嫌いなことややりたくもないことをしていて、ピンチに陥ったらそこでTHE ENDだろう。
元からイヤイヤやってるんだから、止めちゃっておしまいだ。
それでは前に進めない。
だって、失敗もせず、ピンチにも一度も陥らずに何かを為すことなんて、
誰にも出来ないんだから。
 
・・・という訳で、盛田氏とジジさんの言葉に意を強くした母なのであった。