まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「死んでやる!」

義父の喜寿と、義父母の金婚式のお祝いをしたのがこの間の日曜日。
ものすごく機嫌がよく、しかも認知症とは思えないくらいしっかりして見えた義父だったが・・・。
 
ほんの数日で。
 
気分の波と認知機能の波が凄まじく、
もう誰にも義父に付いて行けない感じになっている。
「救急車を呼んでくれ!」とやらかしたのがお祝いの翌日。
そして昨日は・・・。
 
「もう俺なんか生きてたってダメだ。
死んでやる!」
そう言って包丁を持ち出したそうだ。
一日2回、朝と夕方と。
義母に向けたりはしなかったそうだけれど。
 
驚いた義母は「殺されたら大変!」と家から逃げ出したそうだ。
ほとぼりが冷めた頃家に戻ってみると、
義父はそんなことをしたことすらコロッと忘れてしまったかのように平然としていたそうだ。
そして、夕方またまた「死んでやる!」
ほとぼりが冷めるときれいさっぱり忘れてケロッとして。
 
どうも義父母は一緒に暮らしていると悪い化学反応を起こす気がする。
意図的にやっているのか無意識なのかは不明だが、
義母の言動は義父をどんどん追い詰めてしまっているように思う。
(「江戸の仇を長崎で討っているのだ」という説もあり)
義父は自分のことを分析することも理解することも出来なくなって行く一方、
「そういうことではダメなんだ」「もっとしっかりしなければどんどん悪くなるんだ」
というような義母の言葉にますます自信を失い追い詰められているようだ。
(義母は「ガンバレ」と言われれば言われるほど追い詰められて逃げ場を失う人がいるということが、
全く理解出来ない女性なのだ)
 
義父に関しては、老人ホームで暮らした方が心穏やかに過ごせそうな気がする。
亡くなったとうさんの反省(時間がなく、焦って「ブラック老人ホーム」に入れてしまった)を踏まえて、
良さそうな場所の見学に行き、余裕のあるうちにあたりを付けておかなければ。
総合病院に隣接しているホームが空いているそうなので、早速明日見学の予約を入れた。
 
DV男だし、身体も心も物凄く小さいし、気弱だし、そのくせ気位だけは人一倍高いしで、
義父のことは結婚して四半世紀経った今も全然好きじゃない。
でも、義父は義父なりに背負っているものがあり、
きっと「俺はちっとも満たされず不幸な人生を送って来た」という気持ちで一杯なのだと思う。
人生の最後に、少しでも心安らかに過ごせる時間を持たせてやりたいし、
安らいだ義父の姿を義母にも夫にも見せてやれたら・・・と思う。