まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「・・・じゃあ、メマリーにしましょう」と医師は言った。

義父が「中等度のアルツハイマー認知症」と宣告されたときのこと。
 
夫とわたしの二人が残り、主治医から詳細な説明を受けて、
いよいよ処方薬の説明を聞く段になった。
「・・・じゃあ、アリセプト出しますから。
この処方を持って〇〇クリニック(認知症サポーター医がいる、
義父かかりつけの内科)へ行ってください。」
そう医師が言った。
「・・・と言うことは、アリセプトと抑肝散ということですね?」
とわたしが確認すると医師はそうだと答えた。
「あの、メマリーを出してもらいたいです。
とにかく攻撃的になっているので、穏やかになるようにさせたいんです」
とそれを聞いた夫が言った。
医師が「攻撃的になってる?
そんな情報は来てませんが」と言うので、
「そんなはずはありません、だって初回診察時の家族からの聞き取りの際、
義父のDVがひどくて、認知症エスカレートするのではないかと心配だという話を、
臨床心理士さんにわたしがしたんですから。」と言うと医師はカルテをパラパラとめくり、
「ああ、ホントだ。じゃあ、アリセプト止めてメマリーにしましょう」だと!!!
 
危ないところだった。
アリセプトには患者を興奮させる働きがあり、
もとから攻撃的な認知症患者に服用させると、
易怒性が高まるので禁忌処方にしている医師もいる、
認知症の本に書いてあったから。
あそこで黙って医師の言うなりになっていたら、
今ごろ下手をすると義母が大怪我してたかもしれないのだ!!!
 
それにしても、医師って・・・。
 
地域包括支援センターの方にこの話をしたら、
「ああ、○○先生ねえ・・・あはははは」と苦笑していた。
どうやら、そういう面で有名なドクターだったらしい。
いやはや。
 
とにかく、認知症の家族はある程度理論武装しておくことが大切なのだ、
ということを自分の肝に命じた出来事だった。