まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

認知症対策には「デュアル・タスク」と言うけれど・・・。

義父を連れて、大きな病院へ行ってきた。
認知症外来がある大病院。
今日は家族からの聞き取りと、主治医との顔合わせ(と言いつつ、
主治医は義父を厳しい目で観察しているのが分かった)。
確定診断は次回のMRI心理検査(記憶力をテストするもの)の結果を待つ必要があるが、
主治医は「とりあえず物忘れを改善させる方法」としてデュアル・タスクを教えてくれた。
 
デュアル・タスク=二つの仕事。
同時進行で体と頭とを両方一度に使うことだそうだ。
義父が勧められたのは、「散歩しながら簡単な引き算」と
「散歩しながらしりとり」だった。
「分かりました、家の近所を歩いてみます」
義父は人当たりのいい、柔らかい笑みを浮かべながら調子よく返事をしたけれど、
わたしは内心「いや、この人は絶対やらんな」と思っていた。
 
知り合いに会わずに外へ出るのは絶対にムリ!みたいな小さな町で、
認知症っぽくなった」なんて噂、野火のように拡がってしまうだろう。
それが恥ずかしいから、年寄りは家にこもってしまうのだ。
そして、どんどん認知症が進んでしまうのだ。
亡くなったわたしのかあさんのように。
 
「スローステップ運動しながらしりとりとか引き算、でもデュアル・タスクになりますか?」
そう尋ねたわたしに主治医は、
「うーん、それはなりますけどね。
外へ出る、というのが一番いい刺激になるんですよ。
花が咲いてるのを見たり、風が吹いて来るのや四季の移ろいを感じたりね。
五感で感じるって言うのかな、それが一番いい刺激なんですよね」と言った。
 
いいのは分かるけど、本人がやらないのでは何にもならないな。
何かいい方法を探さなくては。