まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「近いものは遠く、遠いものは近く」な関係?

娘と話していて、時折びっくりするようなことを知ることがある。
 
今の子たちは、身近な友達には深刻な話を一切しないそうな。
「弟がムカつく」
「あー、分かる、分かる。妹とか弟とかって、超ムカつくよね」
みたいな話はOKだけど、
「弟が成績のことで親に叱られて落ち込んでて、
どうやってなぐさめたらいいか分からなくて困ってるんだよね」
みたいな話はNGなんだって。
自分自身のことについても、
「あたし、超デブでなんか困りますって感じなんですけどお」
「それ、激しく同意、だな」
程度ならOKでも、
「お姉ちゃんはスタイルが良くて背も高いのに、
あたしは背も低くておデブだからって、みんなに比較されてコンプレックスで死にそうなんだよ」
になると、絶対にNGなんだってさ。
 
なぜなら、「ヘビーな話」だから。
ヘビーな話をする子は、「ウザいヤツ」のレッテルを貼られて、
LINEなんかであっと言う間にそのレッテルが広がり、
次の日からは仲間外れされるんだって。
本当にそうなるかどうかは別として、
みんなが「そうなるに違いない」と思ってるから、
「ヘビーな話」(正確には「相手にヘビーだと思われそうな話」)をするのは絶対的にNGらしい。
 
でも、人間生きてれば悩んだり困ったりするのは必然である訳で。
ましてや、思春期真っ只中世代が微塵も悩まずにいられる訳などないのだけれど、
よその家の子たちは「親には何にも話さないのがフツーで、
うちみたいに親とべらべら話すのはめちゃめちゃな特殊ケース」なんだってさ。
 
「じゃあ、悩んだり困ったりしたらどうするの?
スクールカウンセラーのところへ行くわけ?」と聞いたら、
「とんでもない!そんなとこへ入るところを誰かに見られでもしたら、
LINEであっと言う間に『キチガイ』(←こういう差別用語をいくらマスメディアが排除しようとも、
本当に根強く生き残ってしまっているのですよ)という噂が広まって、
次の日から学校で居場所がなくなっちゃうんだよ!」って。
 
今の子供たちは、そんな訳で「素顔の自分」のことを
匿名の誰かさんとして、ブログなどでしか出せないんだって。
ブログにコメントしてくれる匿名の誰かさんのことを、
身近な友達や親や先生よりも信用し頼りにして、
「ヘビーな話」をぶちまけているらしい。
自分たちがJC(女子中学生)やJK(女子高校生)であるがゆえに、
同世代で同性の誰かさんになりすまして、
自分たちの胸の内を探りに来ている悪意ある第三者が混ざっている可能性にも気付かずに。
 
何だかなあ・・・と思う。
身近にいる人たちと寒々とした関係しか作らずに、
顔も名も知らぬ誰かとの(もしかしたら偽りの)つながりにすがっているなんて。
 
そんな世界に幸せはあるんだろうか。