まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

家を建てなくて良かった~その2~

社宅住まいのわたしが、家を建てなくて良かったと思っている理由について書きたいと思います。
 
1.お金に余裕が出来る
 わたしに発達障害があり、普通の仕事に就くのが難しいため、
我が家はずーっと夫が一馬力で働いて収入の全てを得、
わたしはずーっと専業主婦として暮らしています。
結婚以来我が家では息子が耳の病気で大きな手術を受けたり、
わたしが10年にわたってうつ病のため通院を続けたりと医療費がかさみましたが、
実家に迷惑をかけることなく支払うことが出来ました。
転勤先の町でも、いろいろな場所へ出かけたり、珍しいものを見たり味わったり出来ましたし、
子どもたちをアトリエに通わせたりすることも出来ました。
映画関係の株を購入したおかげで、毎年株主特典として映画招待券が届き、
生活がちょっと苦しい時でも息抜きに映画を見に行くことが出来ています。
 
2.ずっと転勤先に付いて行ける
 家を建てていなかったので、家族全員で転勤先に付いて行くことが出来ました。
付いて行くか、それとも最初から単身赴任を選ぶかについてはいろいろな考えがあるでしょうが、
我が家に関して言えば付いて行って正解だったと思っています。
ただでさえ仕事で多忙を極めている夫が単身赴任していたとしたら、
夫は「家族」とは全く切り離された存在になってしまい、ただの歩く給料袋になってしまっていたでしょう。
「既婚で子持ち」とは言っても実際には夫でも父でもなくなってしまい、
仕事以外に居場所のない状態になってしまったような気がします。
子供たちは引っ越し先でいじめに遭ったこともありました。
いいことばかりではありませんでしたが、家族全員で暮らしていたからこそ、
そういう辛い状況も乗り越えられたような気がします。
特に、深夜帰宅した夫に子供のことで相談出来た意味は大きかったです。
夫は子どものことを一緒に解決した、という手応えを持ったようだったからです。
 
3.子供たちと存分に向き合うことが出来た
 引っ越し先でいじめに遭ったりして、子供たちは何度もピンチに陥りました。
でも、わたしが外で働いていない専業主婦だったおかげで、
ピンチに陥った子供たちと時間を気にせずに正面から向き合うことが出来ました。
ピンチの時だけでなく、小さい頃から一緒にたくさん遊んだり、絵本を読んだり、
テレビを見たり、散歩をしたり、たくさんたくさん関わってやることが出来ました。
そして、そういう毎日の積み重ねの中で「困った時には親に話そう」と思ってもらえる関係が
少しずつ出来て行ったように思います。
特に息子との話し合いは、しばしば「朝まで生テレビ」並の長さになりましたが、
仕事をしていないわたしは時間を気にせずに向き合い続けることが出来ました。
仕事をしていたら、とてもああは出来なかったと思います。
 
他にもいくつか理由はありますが、大体こんなところです。
 
わたしは、反対に、世間の人たちがどうしてこんなにも家を建てたがるのかが、
全く理解できずにいます。
ローンも払い終わらないうちに傷み始め、修理費など返済しなければならないお金をどんどん増やす家。
子供が生まれても、乳児のうちから保育園に預けて働かなくてはならず、
成長の過程で起こるいろいろなことを見ることも出来なくさせる家。
せっかく建てても日中は誰もおらず、まるで「ビジネスホテル」状態になってしまう家。
家族をそれぞれの自室にこもらせてしまい、家族としてのつながりを断ち切らせてしまう家。
わたしが今までに知り合った方たちから聞いた話を総合して、
「マイホーム」に対して持ったのはそういう良くないイメージばかりです。
それに、「不動産」としての魅力もなくなってしまっているようです。
(我が家もそうですが)田舎の両親が亡くなっても残された土地や家を売却出来ず、
空き家のまま放置されるケースが激増して社会問題になっていると言いますし・・・。
 
わたしの記事を読んで、「そんなのは違うよ、家を建ててこんなに良かったよ!」
という方がおられましたら、是非コメントをお願いします。
 
わたしは、どうして世の中の人たちがこんなにも無理をしてまで家を建てるのか、
その理由をどうしても知りたいのです。