まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

転んじゃった友達に、「大丈夫?」ってすぐに言えなかった

小学生だった頃、友達と並んで歩いていたら、ズデッと転んじゃったことがあった。
間髪入れず、友達が言った。
「大丈夫?どっかケガしなかった?」
わたしは正直言ってびっくりした。
そして、「こういう言い方もあるんだな」と学習した。
 
別の日に何人かの友達と歩いていたら、ズデッと友達の一人が転んだ。
「・・・!!!こういう時は、『大丈夫?ケガしなかった?』って言うんだっけ」
という具合にわたしが考えてる間に、わたし以外の友達がその子に
「大丈夫?どっかケガしなかった?」と聞いちゃってた。
わたしはタイミングを逸して黙ってるしかなかった。
 
記憶に残る限りの昔から、わたしが転んだ時にかあさんが言ってたことはこうだ。
「何やってんの、あんたは!どこ見て歩いてんのよ!
不注意だから転んだりするのよ!
大体ね、あんたはお母さんの言うことをちゃんと聞いてないからよ!
この前だって・・・」
あとは、延々と小言が続く。
ケガなんかしようものなら、
「人の言うことをちゃんと聞かないから、自業自得よ」がくっつくのだった。
 
わたし自身が母親になってから、子どもたちが転んじゃうことが何回もあった。
そういう時、黙って埃を払ってやりながら、わたしは心の中で
「ええと、こういうときは優しい言葉をかけて慰めてから、
ケガがないかどうか確認するんだったな」と考え、改めて子供たちの目を見ながら、
「大丈夫?どっか痛くなったりしなかったかい?」と聞いたものだ。
だから、多分だけど、うちの子どもたちは、友達がズデッと転んだ時に、
「大丈夫?どっかケガしなかった?」とすぐに聞けるようになったのではないか・・・と思っている。