まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

深川江戸資料館に行ってきた

息子が通う大学の学祭を見に、1泊2日で東京へ行って来た。
学祭のことは置いといて(笑)、印象深かった場所のことを。
 
清澄白河駅から歩いてすぐの場所にある、
深川江戸資料館に行ってきた。
ここは、以前出張ついでに見て来た夫が
「落語が好きなら、ここには絶対行っておいた方がいい」と言っていた場所。
入館料は高校生以上400円、小中学生は50円と格安。
「大丈夫かなあ?」と内心不安になる。
入ってすぐの場所には「山東京伝」「伊東甲子太郎」など、
深川にゆかりの江戸時代の人物の垂れ幕(?)みたいなものがあり、
両脇の壁には江戸時代の深川の古地図や、
江戸時代の風俗画などが描かれている。
その部屋を抜けると、実物大のサイズで再現されている、
江戸の下町の展示室になる。
木戸。
八百屋やアサリのむき身屋、職人や常磐津のお師匠さん(?)などが住む長屋。
井戸や便所(和式だから戸は下の方だけで上の方は開いている)、防火用水を入れた桶。
船宿。
船着き場。
蕎麦や天麩羅の屋台。
火の見櫓。
そういったものが、まるで今も誰か住んでいるかのように、
実に忠実に再現されていて、しかも、部屋の中にまで入ることが出来るのだ!
壊さなければ調度品や日用品に触ってみることまで出来る。
そして、館内にいるガイドさんたちが、これまたいい。
歯切れのいい言葉で、いろんな質問に答えてくれ、
ただ見ているだけでは気付かないこと、分からないことを親切に教えてくれる。
わたしも、「へえ~」と思ったことが沢山あった。
例えば、「時そば」に出て来るような蕎麦屋の屋台。
水を入れた桶があり、七輪に置いた釜で湯が沸かされていて、
注文が入ればすぐにそばをゆでられる状態だったこと。
風鈴を掛ければ「営業中」という意味で、
その音を聞きつけた客がやって来たこと。
移動させるのは一人で担いで、っていうのは無理だから、
「蕎麦でも奢るぜ」とでも言って人を頼んで何人かで行ったこと。
天麩羅屋が外で屋台の形で営業していたのは、
油に火が入って火事になるケースが後を絶たず、
幕府から「天麩羅屋は屋内で営業してはならない」というお達しがあったからだったこと。
天麩羅のタネは、江戸前の魚介類がほとんどだったこと。
天麩羅屋でも、蕎麦屋でも、寿司屋でも、どんなところでも、
酒瓶がおいてあり、客に酒を飲ませていたこと。
(「だって、屋台ってのは金を持ってる大人相手だからね、
酒は欠かせなかったってわけですよ」とガイドさんが言っていた)
それから、炭というのは、結構火力が強いこと、
そして、灰にならない限り火力が持続するものであることも初めて知った。
 
惜しむらくは展示室があまり広くないこと。
(「木戸番小屋が本当は必要だったんだけど、
広さと予算の都合か何かでないんだよねえ」とガイドさん。)
でも、熊さん、八つぁんの世界がものすごく身近に感じられて、
とても楽しい場所だった・・・子どもたち(特に娘)は飽きてたけどね!
お土産に落語の世界を漫画で描いた絵葉書のセットを買って、
ここを後にしたのだった。