まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

BANG!BANG!バカンス

録画しておいた昨日のSMAP×SMAPを見た。
シングル全50曲ノンストップを見ていて、
「BANG!BANG!バカンス」が流れ始めた途端、
涙がぽろぽろとこぼれた。
 
亡くなる11日前、とうさんはくも膜下出血を起こして入院した。
歩くことは出来なくなったものの意識はあり、
半月ほどしたら退院出来るだろうと言われていたのに、
8日後に再出血を起こして意識不明になった。
わたしは毎日片道2時間かけてICUへ面会に行った。
最初は「意識が戻ったらカテーテル処置します」という医師の言葉にすがるように
希望を持っていたわたしだったけれど、
日に日にとうさんの状態が悪化していく中、
どうしても絶望してしまいそうになっていった。
片道2時間、往復で4時間の道のり、
絶望に落ちて行ってしまいそうになるわたしを支えてくれたのが、
この「BANG!BANG!バカンス」だったのだ。
ずっとこの曲を1曲リピートで流しながら、
わたしは高速バスと路線バスを乗り継いで病院へと向かい、また家へ帰った。
バカみたいに明るい曲を聴くでもなく流しながら窓の外を流れる景色を眺め、
とうさんと過ごした最後の半年間と、
これから自分が為すべきことについて思いを巡らせた。
その毎日の4時間があったから、わたしはとうさんを今振り返っても最良の形で
送り出すことができたように思う。
 
わたしは熱心なSMAPファンではない。
でも、今までに何度かSMAPの曲に救われている。
一度目はうつ病になる直前、超低空飛行を続けていた頃。
その時は「Peace!」を1曲リピートしていた。
東日本大震災の後は「ありがとう」と「どうか届きますように」。
そして、この「BANG!BANG!バカンス」。
普段はジャズしか聴かないわたしが、
なぜかピンチになるとSMAPの曲を聴くようになり、
その曲に救ってもらっている。
何故なのだろう。
お世辞にも上手な歌ではないのに。
彼らの歌の中の何かが心の琴線に触れるようなのだ、不思議なことだけれど。