「先生、デブ!」
子供はある意味情け容赦がありません。
昨日、年長さんの女の子たち3人に折り紙でリボンを作っていた時、
わたしのことを指さして、中の一人(リーダー格の子)がこう言いました。
「あのさあ、先生って結構太ってるよねー。」
「えー、そうかなあ。」
「そうだよ。…先生、デブ!」
「ホントだ、先生のデブ!」
「デーブ、デーブ、デーブ…」
わたしがどう切り返したと思いますか?
両手を組んで、「えっ、本当にデブ?わあ、うれしい!!!」と
大げさに喜んで見せたのです。
途端に怪訝そうな顔になって「なんでー?」と聞いてくる女の子たち。
からかわれるのがすごくヤだったの。
だから、いつか『デブ』って言われるのが夢だったんだ!」
女の子たちはがっかりした様子で「ふーん…」と言っていましたが、
少し経ったらこう言ってきたのです。
もちろん、わたしの話は全くのデタラメで。
本当は子供の頃からずっと標準体型のままで、
6歳年上の姉(ものすごくやせて背が高かった)から
「太っててみっともない」と言われ続けていたのです。
ですから、本当のことを言えば「デブ」は大いにわたしを傷つける言葉なのですが、
ここで傷ついた様子を少しでも見せてしまったら、
「デブ」「デブ」の大合唱の中、1日過ごす破目になりますから…。
多分、女の子たちは少し日を置いて
「先生、子供の頃、そんなに痩せてたの?」と尋ねて来ることと思います。
その時には、本当はどちらかと言うとその反対だったこと、
「デブ」と言われてご飯を食べるのがつらくなった時期もあったこと、
人を馬鹿にする言葉(バカ、アホ、ばい菌、デブ、チビなど)は簡単に口に出来るけれど、
人の心を傷つけてしまうんだから言ってはいけないんだよ、ということを
真面目に話して聞かせようと思っています。