まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

朝倉世界一さんの漫画~毎日小学生新聞掲載「マイルール 自立のすすめ」~

我が家では数年前から毎日小学生新聞を購読している。
娘のために・・・と言っても、一番読んでいるのは実はわたし。
結構面白いし、分かりにくいニュースが分かりやすく簡潔に説明されていてありがたい。
 
さて、わたしが一番楽しみにしているのは毎週火曜日。
辰巳渚さんの「マイルール 自立のすすめ」というコーナーの掲載日だから。
これは、子供が大きくなって行く過程で大切だなあ、とか、
こんなふうにしたらいいんじゃないかなあ、
と辰巳さんが考えていることを、
毎週ひとつテーマを決めて子どもたちに語りかけるような文体で提言するというもの。
昨日のテーマは「親に言えないできごと」だった。
例えば図書館の本を誤って汚してしまい、返すに返せなくなる中、
何度も返却の督促状が届いてしまった、とか、
学校の帰り道、誰かに体を触られてしまったけど恥ずかしくて言い出せない、とか、
友達の万引きの現場を目撃したし、目撃したことを当の本人にも知られてしまった、とか。
辰巳さんの提言はこうだ。
>こういうできごとって、「こうしたらいい」という答えがあるわけではない。
>でも、黙っていたら、心が苦しくって、何をしていてもそのことばかり考えてしまうよね。
>こういうときは、やっぱり誰かに話さなきゃいけない。
>あなたは子どもだから、自分の胸のなかにしまっておいてはいけないこともあるんだ。
>そのときは、とにかく、信じられるおとなに話してみよう。
>ぜったいに楽になるよ。
そうだよね、本当にそうだよね、と思う。
そして、子どもに信じてもらえる大人になれているだろうかと自問する。
 
このコーナーのもう一つの、というより最大のお楽しみは、
朝倉世界一さんの漫画が添えられていることだ。
今回の漫画も心の琴線に触れるような切なくて温かい漫画で、
本当に感激した。
(画像を入れられればいいのだけど、著作権の問題があるからやめておく。)
今回の漫画は4コマ。
全部主人公のまきっぺ(小学校3~4年生のショートカットの女の子)とパパの二人の場面。
どんな感じか、添えられてるキャプションだけ書き出してみると、
1.(街灯だけがぽつんとついている夜の住宅街。
  手をつないで歩いているパパとまきっぺのシルエット)
 「たとえば夜にまぎれて」
2.(パパと二人でお風呂で温まっている場面)
 「たとえばゆげのむこうで」
3.(動物型の絶叫コースターの先頭に並んで座り、
  目をつぶって二人で叫んでいる場面)
 「たとえば絶叫しながら」
4.(パジャマ姿のパパの後ろ姿。
  まきっぺが抱き付いていることがちょっとだけ見える髪の毛と背中に回された手で分かる)
 「どんなときでもパパはまきのはなしを聞くからね」
なぜだろう、朝倉さんの漫画を見ていたら涙が出てしまった。
(年のせいかもしれないけれど、わたしは涙腺が弱すぎですね。)
 
朝倉さんの漫画は、ひと昔前で言うところの「ヘタウマ」みたいな感じで、
結構誰にでも描けそうな絵に見える。
でも、毎回テーマの描き方がいいのだ。
大抵の場合、辰巳さんの文章よりも朝倉さんの漫画の方が、
こう・・・グッと心に響いてくる感じなのだ。
 
「マイルール」は今回で連載334回を数えるコーナーで、
毎日新聞社から本も何冊も出ている。
子どもを持つ方は、一度本屋さんで手に取ってみることをおススメする。
子どもだけでなく親にも役に立ってしかも楽しめる本だと思う。